佳き日に






外は雨が降っていた。
傘をさし琥珀はバス停まで走った。

バスに揺られている間も、学校にいる間も、ずっと朝のニュースと、自らの記憶の違和感について考えていた。

そのせいか、学校はあっさり時間が過ぎ放課後になった。
雨は相変わらず降っている。

混雑を避けるため、琥珀は他の生徒より一本遅いバスに乗った。
そのおかげか、バスは人が少なくガラガラだった。

後方の席に腰かけ、琥珀は窓の外を見る。

数秒後、横から振動がきた。
隣に誰か座ったようだ。


「あの、すいません。」


話しかけられ、隣に顔を向ける。

知らない男の子がいた。
琥珀より二、三歳下であろう。
この辺りの中学校のジャージを着ている。
ジャージに着いている名札には「2118白川春」と書かれていた。


「御学高校の人ですか?」

「は、はい。」

琥珀はなんとか頷いた。

すると、白川春というのであろう男の子の顔がパァッと明るくなる。


「お話聞きたいです!これから時間ありませんか?」

キラキラと輝く笑顔を向けられ、琥珀はつい頷いてしまった。
男の子の嬉しそうな顔があまりにも可愛かったのだ。

しょうがない、と琥珀はニヘラ、と笑いいつもとは違うバス停で降り、ファミレスに入った。