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『様々な場所で人が突然ゴミになる。世間を騒がせたこの現象の原因は未だ解明されていません。』
不思議なことがある。
琥珀はテレビを見つめながら考える。
一つ目。
ここ一ヶ月以前の記憶が曖昧なこと。
曖昧というか、違和感がある。
文化祭の準備のため友達の家に泊まった日々は覚えている。
ただ、その日々がどうも偽物な気がしてしょうがないのだ。
『関東から始まり、三日後には日本中に広まったこの現象。不可解な点は、ゴミとなってしまった人々の素性が分からないということです。現在確認されているだけでも百人近くがゴミに変化しています。』
二つ目。
このニュースが、とても気になる。
気になるというと、そりゃあこの不可解な事件は誰だって気になるだろう。
ただ、琥珀の場合解明したいとかそんな好奇心ではない。
心惹かれるのだ。
何か知っている気がしてしょうがない。
しかし、いざそのことについて考えると何も分からない。
知っていることなんてニュースで聞いたことしかないのに、それ以上知っている気になってしまう。
何故なのか。
「琥珀ー!そろそろ行かないと遅刻するよー。」
母の声に琥珀はハッとし、テレビを消す。
慌てて鞄を持ち家を出る。


