佳き日に


[1]


赤と黄色に染まったドリアを一口食べる。
ミートソースのような味が美味しい。
たまに無性に食べたくなる味だ。

琥珀はドリアを食べながら向かいに座っている泉と春の兄弟を眺めた。
二人してグラタンの熱さにビックリしている。
かわいい。

そう思っていたら、春くんの方が琥珀と目を合わせてきた。

茶色いクリクリとした目がじっと見つめてくる。
特徴的な目だな、と思った。

そのまま五秒程見つめ合っていた。

「な、なに?」

その空気に耐えられなくて思わず琥珀の方から口を開いていた。
雪といい春くんといい、どうして人の目をそんなに見てくるのだろう。
男の習性か何かなのか。
よく分からない。

「いや・・・琥珀さんってコンタクトレンズしてます?」

「あー、うん。してるよ。目が悪くてね。」

琥珀がそう返すと春は少し考えるような仕草をした。
そこに泉が横から口を出してきた。

「ねぇねぇ!じゃあさ、雨って名前の人知ってる!?」

「雨?」

泉の質問に琥珀は少し笑みをこぼした。
雨とか雪とか、なんでそう天候に関わる名前の人が最近よく耳にするんだろう。

めずらしい名前でもないのかもしれない。


「ううん。知らないよ。」

気のせいかもしれないが、その後の泉と春の様子がおかしかった。

でも、レストランを出た後に「またなー!」と叫んで泉が手を振ってくれたので気のせいだろう。