『もしもし。』
「あー、椿が残した墓はちゃんと確かめたよ。」
『そうか、それはよかった。でな、』
「遺骨を入れるところにびっちり万札が入ってた。で、一番上に椿からの手紙が置いてあった。」
『……お前ってけっこうお喋りな奴なのか?』
「さぁ、そんなこと言われたことないけど。で、椿からの手紙にさ、「あんたに赤い女は荷が重い。金はあげるから好きなとこ行って好きなように暮らしな」って書いてあったんだ。」
『あー、なんか、うん、椿らしいな。』
「どういう意味だと思う?」
『そりゃ、生きてて欲しかったんだろ、お前に。』
「……わっかりづら。」
『お前あいつが素直にそんなこと言うと思ってんのか。』
「……。」
『おい、どうした?聞こええるか?』
「聞こえてるよ、ちゃんと。」
『そうか。じゃあ用件を言う。菘、お前福島に戻って本物の赤い女を探せ。』
「なんで?」
『赤い女は抗体を持っている。本当はお前に別のメモリーズが届けに行くよう椿が手を回していたんだが、抗体もろともメモリーズが殺された。』
「……。」
『新聞でも大きく取り上げられてたけど男が銃乱射して警官が三人殺されたニュースあっただろ。あれだ。東京は政府の動きが早くてもうメモリーズ二十人は殺されたぞ。』
「それで、か。」


