佳き日に






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琥珀を迎えに行く。

その言葉に釣られてエナカは車に乗ってしまったが、早くも後悔し始めていた。

運転席にいる黒い男も隣に座る髪の長めな男も黙ったままだ。
車がどこへ向かっているのかも分からない。

そもそもこの車にいるメモリーズの二人の男は信用できるのだろうか。
エナカは二人をチラチラと観察する。

二人とも二枚目。
腹立つな、と思いながらエナカは話を切り出す。


「で、渡したいものって具体的には何なの?」

突然エナカが話したからか、隣の男が少しビクッとした。

エナカの問いに答えたのは運転席の男だった。


「雨がお前に残したものだ。」

「……嘘。」

「本当だ。」


エナカの二人の男を見る目付きが冷たくなった。

何が目的にしろ、雨の名前を軽々しく使わないでほしい。
冗談だったらタチが悪い。

だが同時に、この二人はエナカと雨の関係を知っているということに警戒を強める。