佳き日に





「馬鹿か。鳥が飛べる高度に限界ってものがあるだろ。」

「だからそーゆー現実的な話はなしで楽しむの!」

「自分の無知を露呈してるだけじゃないか、そんなの。」

女の子はぐっと黙る。

菘もなんとなく男の言い方に腹が立ってきた。
ここまでムカつく物言いをする人も珍しい。


「お前は星が好きなんじゃなくて、星で妄想するのが好きなだけだろ。惑星の公転周期の求め方も分からないようじゃお話にもならないな。」


菘はイライラして売店で買った新聞をバッと開く。


『東京都内建物で男が銃乱射。警官三人死亡。』


文字は分かるが頭に入ってこない。
胸に何かがせり上がってくるようだ。

くそ、こんなに腹立つのも後ろの嫌味な男のせいだ。

菘は歯に力を入れた。


「知識があるからって、星を愛してるに繋がるわけじゃないでしょ。」

凛とした女の声。