佳き日に




桔梗は出血死の可能性を示唆しているのか。


「足に一発、こめかみに一発、さっき撃たれてました。こめかみはかすっただけでしたが、あれはまずいです。」

「ぐ、具体的には?」

「もって八分です。早く治療しなければ。」

琥珀の心に不安が広がる。

琴が死ぬかもしれない。
早く、なんとかしなければ。

鉛丹の方を見れば階段をのぼっていた。


「二階に行くぞ。」

「え、なんで。」

鉛丹におぶわれていた琴が琥珀たちの方を向いて代わりに答えた。


「飛び降りんだし。」

「まさかの自殺?」

「馬鹿ちげーし。レストルームに布団たくさんあるんだろ?」

琥珀は一歩一歩力をふりしぼりながら鉛丹と琴の後を追って階段をのぼり始める。
のぼりながら会話するのってけっこうキツイ。