佳き日に





「まさか、本当に死んじゃうとは思わなかった。」


白川が息を飲んだのが分かった。
それでも何も口を挟んでこないあたり、彼は空気が読める人なのだろう。


『今すぐ職員室に来て。』


クラスの合唱発表前のピリピリした空気に、やけに急いだ先生の声。
腕を引かれるまま職員室へ行った。

そこで家族の死を知らされて、それから。



「後悔しかなかった。どうすれば償えるのか分からなかったからさ、ずっと部屋にこもって謝ってた。」


心に穴が空いたみたいで。
すぅすぅして。

でも、そこからとめどなく溢れてくるのは後悔。

最低な娘でごめんなさい。
最低な姉でごめん。
ひどいこと言ってごめん。

謝れば良かった。
弁当のことも、ごめん。