佳き日に





一瞬の静寂の後、ガシャァァンッと音がした。

シャッターを閉められたようだ。

まずいな、と琴は思う。

逃げ道を封じられた。
つまり、一回の爆破で全員殺すつもりなのだろう。


桔梗が息をしているのを確認した鉛丹と目が合う。

銃撃はない。
爆破されるまでの数分は安全だ。


逃がすなら、今しかない。


「琥珀。桔梗かついで、奥の方行ってろし。」


かちゃ、と腰からナイフを取り出し琴はそう言った。
有無を言わせぬ言い方に、琥珀は何も言わずに従った。

桔梗を持ち上げる時、一瞬その揺れる瞳と目があった。

安心しろし、そんな意味をこめて笑ってやった。


「やるか?」

琴の右手のキラリと光るナイフを見て、鉛丹は顔を歪めながら言った。

目を背けたくなる、潰された琴の足。


「大丈夫、自分でやるし。」


覚悟はもう出来てる。

服を引っ張り、琴はそれを噛む。

そして、一思いに。


ナイフを自分の足へ振り下ろした。