佳き日に






だが、確かめる暇もなく耳をつんざくような音が襲ってきた。
ババババッと、外から建物に向かって何十発と撃ち込まれる。
銃撃。


吹っ飛ぶガラスに、車体も揺れ、その度に車の下敷きにされている琴の足も悲鳴をあげた。


降り注ぐ銃弾から守るように桔梗に覆いかぶさる。


「おいやめろ危ねぇぞ!」


鉛丹の声がした。
あまりの銃声に耳がおかしくなったのかと思った。

しかし、半信半疑で顔をあげた琴は次の瞬間目を見開き怒鳴っていた。


「危ねぇから離れろ!」


なんと、銃撃がやまないにも関わらず琥珀が琴の方へそろそろ寄ってきていた。

外れた車のドアを盾代りに縮こまって歩いてくる。
琴が睨んでも引くどころか近づいてくる。


「琴、足。」

震える声で琥珀がそう呟く。

血と肉が潰れて車の隙間からはみ出て、見れるものではないだろう。
琥珀はもう目の前まで来ていた。

降り注ぐ銃弾は未だやまない。