「確かに、それだと俺たちは助からないな。」
雪はゆっくりと車を動かす。
閏は急に視界が狭くなった気がした。
生きている限り、死はある。
当たり前のことだ。
殺し屋として生きてきた日々の中でそんなこととっくに覚悟していた。
なのに、何故今こんなにも揺さぶられるのか。
いつから自分はこんなに弱くなったのか。
「けどな、菘に話したのとは別の可能性も思い当たったんだ。」
雪はそう言い、ハンドルを回す。
「可能性?」
「あぁ。希望がある可能性だ。信じるんだったら希望があるやつの方がいいだろ。」
「そうですね。」
道はたくさんのパトカーと救急車で混み合っていた。
ぶつかって大破した車に、必死に電話をかける人々。


