「それ以上近づいたら刺すよ!」
「お前が持ってるやつじゃ刺せねえよ。せいぜい動き封じる程度だろ。」
どんなに琥珀が威嚇しても鉛丹は飄々とした態度でジリジリと距離を詰めてくる。
琥珀は思いっきりさすまたを突き出したが、それも難なく躱される。
「落ち着けっつの。殺すつもりはねぇから。」
両手を上げ鉛丹はそう主張する。
本当に殺意はなさそうだ。
琥珀は少し警戒を緩める。
その刹那、鉛丹が大きくなった。
一瞬で間合いを詰めてきたのか。
そう理解したときにはもう遅かった。
両手にビンッと痛みが走り、思わず手の力を緩めてしまった。
カラン、とさすまたが落ちた。
「何すんの!?」
「一時間でいいから俺らに捕まったフリしてくれよ。」
「はぁ!?」


