「俺、政府に従い続けるべきかエナカさんの味方になるべきか迷ったんですよ。だからエナカさんの元に来たんです。」

「一緒にいれば分かるかもしれないから?」

「そうです。」

キィッと、ゆるやかに車は止まった。

なだらかな斜面に草木が生い茂っている。
目的地に着いたようだ。


「本人を前にすると自分に嘘はつけないものですよね。俺、エナカさんの味方です。」

「そう。」

素っ気なく言うとエナカは車のドアを開けて招きした。


「じゃあ墓探すの手伝ってよ。」


分かりやすく白川は顔をほころばせた。

勢いよく車から出てくると「世界を敵にまわすことになったとしても俺、エナカさんの味方でいます!」なんて言っていた。

恥ずかしい奴だな、とエナカは下を向き笑いを堪えた。
そして、世界を敵にまわすって、私は一体何をやらかしたんだ、とも思って思わず吹き出した。