佳き日に





瀕死とまではいかなくても、琴と同じように出血多量で頭がクラクラするぐらいには重傷なようだ。


「お前、誰にやられたんだし。」

桔梗が口を開く前に琴はその問いの答えを知ることになった。

桔梗の後ろからサングラスをかけた男が飛び出してきたのだ。
ナイフを振りかざして。

秘密警察か、政府か。
そんなことを判断する前に琴の身体は動いていた。
腕を振り上げ、ナイフを投げ放つ。

放たれたナイフは一直線に男の頭に突き刺さる。
身体から力がなくなり男が倒れるのが見えた。

しかし息つく間もなく後ろからパトカーのサイレン音。
今まで頭を下げていた桔梗の肩がビクッと反応したのが見える。

これからやってくるパトカーも、敵か。