佳き日に






[7]






死ぬ、そう確信し、撃たれたと思った。
銃声も聞こえた。

だが、痛みはない。


琴はまだ死ななかった。

代わりに、琴に銃を向けていた男がグラリと傾き、倒れた。
頭を撃たれている。
血が溢れ出て、道路に赤い染みが広がる。

助かったのか、と琴はそこでようやく実感する。

それと同時に助けてくれたのは誰だろう、とも思った。

閏が狙撃でもしてくれたのだろうか。
顔を上げると、目の前にいたのは意外な人物だった。


「桔梗?」

桔梗が座り込んでいた。
肩から血を流し、力が入らないのか右手に持っている銃は今にも落ちそうだ。