「県境で琥珀さんを降ろしてからは空港ですか?」 「そう。海外とか久しぶり。」 「手引きしてくれる逃し屋はいるんですか?」 「当たり前。」 その逃し屋というのも、椿が昔仕事で協力した人だ。 菘が椿の友達だと言えば、あっさり菘たちの逃亡に協力してくれることになった。 交渉が終わった後の、あの苦い気持ちを思い出す。 椿の影響力に、信頼の厚さ、人脈の広さ。 椿がいなければ自分はこの状況から逃げる術さえ見つけられなかったのではないか。 菘は目を閉じる。 椿の顔が浮かんできて、慌てて消した。