佳き日に





「でも、出来るなら警察の計画が本格的になる前に逃げたいですね。」

「今回の仕事放り出して今すぐ逃げるってのも手だな。」

そんな風に冗談半分本気半分で話していたら、琥珀が神妙な顔をして入ってきた。


「じゃあさ、三人はいなくなっちゃうの?」

琥珀のその言葉に閏は頭をかかえたくなった。
こーゆー場合が一番、面倒なのだ。


「そりゃあ危険なところになるし、日本は。他のメモリーズもどんどん国外に逃げていなくなるはずだし。」

「私は?」

「はぁ?お前は普通の生活に戻るだけだし。」

淋しそうな琥珀の様子は察しが悪い琴さえも気づくほどだった。


「お前、勘違いすんなし。俺らの関係はイレギュラーで、どっちかって言うとあまり好ましくないんだし。」

「人間と、メモリーズだから?」

「そうだし。裏の人間でもない限り普通は関わることはないし。」

「関わってみれば、いいこともあるかもしれないじゃん。」

「……それは、」

言い淀んだ琴の気持ちが閏には手にとるように分かった。

きっと、雨と茜のことを思っているのだろう。
あの二人の結末はハッピーエンドだったのか、否か。