「閏、手伝ってくれるのか?」
二日前、琥珀には聞こえないような声で雪にそう尋ねられた。
なんともまぁ大雑把な鉛丹桔梗との交渉計画を聞いてつい口を出してしまったのだ。
そんな計画じゃ成功するわけないでしょう、と。
親のような気持ちだった。
それはもちろん、このような裏社会での取引初心者の琥珀に対しての。
「閏は賢明だから、メモリーズ側に戻ると思ってた。」
雪は閏がメモリーズ側ではなく雪と赤い女を探すのを選んだことに、嬉しいだとか、そんな感情は抱いていないようだった。
感情が分かりづらい人だ、とは常々思っていた。
しかし今回は本当に雪の真意が閏には分からなかった。


