佳き日に



「全国にメモリーズは約200人くらいいる。お前はその200人を敵に回しているんだからこっちは数が圧倒的に不利だ。俺たち三人じゃ手が回らなくなる時が来る。そうなったらお前は一人でメモリーズと戦うことになる。」


ただでさえメモリーズはほとんどが殺しのプロだ。
身体能力も高い。
まともに戦って琥珀が勝てる確率はほぼ0。

ならば、琥珀に残された道はただ一つ。

逃げるのだ。

必死で走って、逃げ切るしかない。


「ま、生き残りたいなら基礎体力をつけろ。」


そう言って雪はひと際大きなダンボールの開封作業に取りかかった。



琥珀の手の中のコップのお湯は、もうすっかりぬるくなっていた。