佳き日に


[5]


秘密警察。
言うなら、刑事警察や交通警察とは違い、一般人に紛れ込み極秘に活動を行う警察。

日本で言うところの新撰組や特高。
また、ナチス・ドイツのゲシュタポなど歴史上存在した。

思想弾圧。
スパイ活動、刑事警察の監視。
今の日本にも秘密警察に近い機関はかなり多く存在している。

そのうちのひとつの機関はメモリーズを殺すことを主な活動内容としている。

何人構成でメンバーの名前、本拠地など一切合切秘密。

一応そこに所属している閏でさえも雪と琴以外のメンバーは知らない。
やはり、メモリーズということで警戒されているのだろう。

閏はにぎりしめた携帯から向こうにつながった音を聞いた。

『コードネームをお願いします。』

機械の声が聞こえる。

閏は何回聞いてもこの声を好きにはなれなかった。

「うるう。」

『パスワードをお願いします。』

「J、K、L、5。」

『承認しました。メッセージをどうぞ。』

ピーッと音が鳴る。
まさに留守番電話のやり方だ。

「閏です。梔子というメモリーズを発見しました。12時半から10分程の間に御学高校近くのスーパーの駐車場、もしくは手前の道路で行います。終わり次第回収お願いします。あ、あと、こちらのメンバーは雪、琴、僕の三人です。」

一気に言い切ると、閏は通話を終了させた。
ふーっと息を吐いた。

秘密警察はこちらが仕事さえすればお金をくれるし後処理もしてくれる。

便利だし、こちらに必要以上に詮索してこないところも好感がもてる。
不満があるとすれば、連絡する度耳にするこの機械音だろう。

機械音は閏の苦手なもの第一位と言っても過言ではない。

どうやって克服すればいいんですかね。
閏はそう思いながら雪と琴が待つ車へ早足で戻った。