なんとも微笑ましく愛らしい女の子である。

三人は、この近くにでも住んでいるのか、散歩でもしている様子である。

李が歩いている傍にベンチがあり、李は腰掛けて彼女らの光景を見ている。

すると李の顔は自然と目がほころび、穏やかな笑顔となっている。

その時・・・
ジョアンやディアンの小さかった頃の姿が脳裏に浮かび、目の前に見えている、あの女の子に、よく似てかわいかったなぁ・・・

と昔の自分たちの家族とダブらせながら目で追っていた。

ジョアンは大学時代の友人で、日本からの留学生であった智行と付き合うようになり、智行が日本へ帰り就職が決まるのを待って結婚した。

智行は現在、文化財の保護管理官として京都や奈良、大阪で活躍している。

ディアンはダラスの大学で経営学の勉強をしている。

李自身はアメリカ大使となって以後は会社の経営から直接的には、退いているのだがディアンは将来の希望として、父親の興した会社を継ぎたいのかも知れない。

二人とは、ずいぶん長い間、会っていない。ジョアンとは日本の智之の所へ嫁いでからだから、かれこれ四年にはなる。

ディアンとは、たまにディアンが家に帰って来た時も、擦れ違いになることが多く、ここ一年間は会っていない気がする。

二人は、どうしているいるのであろうか。
元気であろうか・・・

今度、逢えるのは、いつのことになるのであろう・・・
とてつもなく懐かしくなってきて

「昔に戻れればなぁ・・・」と呟いた。