二番目に問題となったのは、それでは、その二隻以外の消息不明船や連絡の取れなくなったエウロパ・ステーションの異変は何が原因だったのかである。

これには、複数方向から飛来する小惑星であろうとする説もあるが、今のところ発見されているのは一塊の小惑星群のみであり原因は分かっていない。また二隻についても可能性があるというだけであり断定はされていない。

以上のように説明した科学者は

「詳細については不明のままであり、現在も調査中であります」
とのみ言った。

三番目の問題は、小惑星群の進行方向である。

科学者は、進行方向は現在、火星に向かっていて、衝突の危険性はないものの三日後には、火星からかなり近い位置を相当な速さで通過するものと思われると答えた。

四番目に問題になったのは、小惑星群の危険度である。

どの程度の危険性があるかについては科学者も、はっきりとは答えられなかったが

「これまでの経過で、いくつかの異変の原因になっているとすれば、かなり危険だとは言えます」

と答えた後、一瞬、首を傾げて躊躇った感じではあったが、発言を続けて

「ただし、ほとんどの科学者や天文学者は発見された物体は小惑星群であると結論付けておりますが、科学者によっては未知の人工的な飛行物体ではないかと、飛躍した推理をして述べる人もいます」

「その根拠は、あまりにも異変が重なっているからでありまして、計算上これだけ立て続けに異変が起こるとは考えられないということです。あまりにも突飛な意見であり、大多数の科学者も相容れることのできない考え方でありますが、ほんの数名の科学者が支持をしていて早く対策を考えるべきだと唱えております」