その中にはエウロパ・ステーションと交代要員を乗せた調査船がドッキングに失敗して衝突したから連絡が取れなくなったのじゃないかと言う意見が多数あり、小惑星を捜索中の天文観測衛星をステーション確認の為に振り向けた。

ステーションは巨大なパネルを持ち、相当な大きさではあるが、パネルの向きにもよるものの、いかに優秀な観測性能を持つ天文観測衛星をもってしても、あまりに遠く容易に確認できるものではなかった。

ステーションの存在は、なかなか確認できなかったが、観測を続けるうちに、ようやくステーションからの太陽の反射光を確認し、ステーション自体は存在しているらしいことが認められた。

存在しているらしいとはいえ、反射光を捉えただけでは、通信が途絶える前の原状の姿を留めているのかどうかは、はっきりとは判別できず、原状のまま存在している確証は得られなかった。

結局、ステーションが原状の状態で存在する確証を得る為には、乗員からの通信以外には知る手立てが無かった。

ステーションの存在確認をしている間も、肝心の小惑星も消息不明調査船も発見されず、よって原因の特定もできずに月日だけが流れていく。

地球連合本部は再度、全体会議を招集し、宇宙開発の進め方や宇宙開発機構のあり方を討議し、少々の改革では世界中が納得しないだろうと、三ヶ月かけて具体的に細部に至るまで煮詰めることとした。

いくら捜索しても不明船も小惑星も見つけられないまま二ヶ月が過ぎて、四月下旬になろうという頃に、天文観測衛星が、やっと小惑星らしき物体を捉えた。