「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢

そしてティタニア号には周囲の観測を怠らないように指示をだし、注意するように伝え、同時にタイタンの観測を終え、地球への帰還途上の調査船との交信許可も出した。

ティタニア号は二隻の僚船を失ったことで孤独となり、それを紛らわす為にタイタン調査船との会話を許可したのである。

一日が過ぎ、必死に捜索するが小惑星は見つからない。

トリトン号も消息が途絶えたままであり、行方不明のカロン号ともども発見できない。

ただ小惑星が直線的に進んでいるとすればティタニア号はカロン号とトリトン号の延長線上に無く、遭遇することは無い。

そういうことからティタニア号の航海には問題ないだろうと科学者たちは安心していた。
しかし、このままではトリトン号が消息不明になった発表をしなければならない。

この間、カロン号が行方不明になった発表をし、記者会見を済ませて、どれほども経っていないというのに・・・

科学者たちはトリトン号との通信を回復さそうと、そしてトリトン号を発見しようと、懸命に努力するが、無駄であった。

科学者を始め本部にいる人たちの心は沈んでいた。

それ以上に、二隻立て続けに消息不明になったとの発表を聞けば、世界中の人々にショックが走るであろう。

地球本部の全員が沈痛な表情である。

優秀な搭乗員を、あっという間に十四人も失ってしまった残念な気持ち、無念な気持ちもあり、口も重く暗い雰囲気になってしまっていた。

翌日、トリトン号が消息を絶って、優に四十八時間以上が経過した・・・