「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢

「地球本部よりティタニア号へ、そのトリトン号に近づいていた物体について、具体的に、どのような物体であるかの連絡はありませんか。また何であるか、推測されるような通信は、これまでに、ありませんか。どうぞ」

「ティタニア号より地球本部へ、具体的な情報はありません。ただ会話の中で小惑星かも知れないと言う話はありました。どうぞ」

地球本部は愕然としていた。

一度ならず二度までも・・・

いったい何が、どうしたのだ。

すぐに科学者や技術者が総動員され原因究明に当たるが、状況は前回のカロン号と同様で、全く不明であり分からない。

ただ小惑星が衝突したとか、傍を掠めて通過した可能性が浮上し、観測を開始したが発見できない。

小惑星が小さい物であれば発見するのは不可能に近いし、今回の一連の事故は小さな小惑星ではないかという意見が大勢を占めた。

そんな中、一部の科学者は、今回の三隻のチャレンジを原因が、はっきりしない以上、いったん中止して、残されたティタニア号だけでも地球へ帰還させるべきではないかと主張した。

しかし、そんなことを今更言ってもティタニア号は、あと一年もすれば天王星へ到着できる位置まで到達しているのである。今になって中止するのも難しく、地球への帰還を指令するのも、相当に勇気のいる決断となる。

結局、反対意見もあったが、とるあえずティタニア号は、そのまま天王星への航海を続けてゆく。

地球本部は小惑星を発見するべく全力を挙げて観測態勢を敷き、その捜索に全力を尽くした。