「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢

しかし、それぞれの乗員が自己紹介に始まり、家族の話、友人の話、地域の話、各国の民話から小話まで、ありとあらゆる事を会話して、もう話す種も尽き掛けていた。

「カロン号よりティタニア号へ、みなさん、お元気ですか。太陽の輝きも、かなり弱くなり日光浴も不可能ですね」

「この間、そちらのラーマクリシュナ技師に教えてもらったヨーガですが、みんなに大うけで大流行です。こちらの全人口が、毎日、励んでおり、おかげさまで全員元気です。もっとたくさん教えてほしいと、多数の要望があり、つきましては、本日、続編を、お願い致したいのですが。どうぞ」

「ティタニア号よりカロン号へ、了解しました。後ほど動きと解説を送ります。こちらは全員ヨーガをマスターし終えて飽きつつあり、何か他に出来る事がないか探しております」

「先日、ロシア人パイロットのサーシャがロシア舞踏を教えてくれましたが、動きが激しくて疲れてしまい、まったくもって不人気で流行りませんでした。その後、もう一度しようと言う者が一人も現れません。何かないでしょうか。どうぞ」

「トリトン号よりティタニア号へ、こちらも、先日、教えてもらったヨーガが大流行です。こちらへも続編を送って下さい。それからジョージ隊長がカロン号のブラジル人の乗員からサンバでも習ってみてはどうかと言っております。どうぞ」

「ティタニア号よりトリトン号へ、続編を送る件、了解しました。ジョージ隊長からの提案は、残念ながら一人を除いて反対多数で却下となりました。ちなみに賛成したのはサーシャだけでした。どうぞ」

その後も通信は続き、間もなく三時間になる。