「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢

直は立ち上がり、横で立って拍手をしていたジェラルディーンと握手をしている。

マーチングバンドが高らかに演奏する中、オープニングセレモニーで出てきた各チームの人たちが観客席前の芝生の中を、飛び跳ねるように踊りながら抱き合って喜びを爆発させている・・・

その後しばらくして、今後の宇宙船発射の予定や計画などがスクリーンに流れ出し、約二ヵ月後に海王星調査船トリトン号がオーストラリア基地から、そして四ヵ月後には天王星調査船ティタニア号がロシア基地から発射される予定だとでている。

やがて少しずつ興奮が収まり観客が退出し始め出した頃、由紀たちも、そろそろ帰ることにして、ジェラルディーンと、その家族に挨拶をして部屋を出た。

彼ら家族は、他の人に迷惑が掛からないように、最も後のほうで退出するようだ。

別れ際にジェラルディーンが直に

「成功を祈っています」
と声を掛けてくれた。

部屋の内外に警護官が立っていて、理絵が部屋を出て通路を歩きながら

「ちょっと、おっかないなぁ」
と呟きながらついて来ている。

エレベーター乗降口まで歩く間に、昼食を、ここにあるレストランにするかホテルまで戻って食べるか相談をして、お腹が空いたので、ここのレストランで食べようということになり、二階のレストランに行くと、ものすごく長い行列ができている。

結局、並ぶのを諦めてホテルへ戻ることにしてタクシー乗り場に来たが、ここにも行列ができている。しばらく並んでタクシーに乗ったものの今度は道路が大渋滞であり、ホテルへ帰り着いたのは夕方近くになっていた。