その芝生の向こうには、幅が百メートルくらい、高さが二十メートル以上ありそうなスクリーンが五十メートルぐらいの間隔をおいて、観客席から見えるように並び立っている。
由紀たちが今居る部屋は、ちょうど中ほどにあるらしく、右を見ても、左を見ても、長さが一キロメートルはある観客席の前は、すべて同様に見える。
そしてスクリーンの立っている、ずっと先には発射場が見えている。
しばらくパンフレットを読んでいた直が立ち上がって
「少し、おなかが空いたからホットドッグと飲み物、買ってくるけど、何か、いる物ある」
と二人に訊くと、理絵は直と同じ物を頼み、由紀は
「飲み物だけでいいから、お願い。ついでにトイレの場所も見てきて」
と言いながら財布を取り出そうとすると、直は、それを遮って
「それくらい出すからいいよ」
と言って、部屋から出て行った。
買ってくるのに十分ほど掛かり、戻ってみると、由紀が理絵にパンフレットに書いてある説明を訳してもらっていた。理絵も、もうすぐ大学生で、それなりに英語は解るが、ところどころ知らない単語とかもあるようで、直が帰ってきて、席につくと
「ねえ、この単語どういう意味」
パンフレットを差し出し、意味不明の単語の部分を指で指しながら訊いてきたので、直は理絵と交代してパンフレットを読んで説明した。
しばらく説明をしていると、アナウンスが流れ
「みなさん、まもなくセレモニーが開会します」
と言うので、時計を見ると十時十分前になっている。
セレモニーが始まるまでに、ごみを片付けておこうと、理絵が飲んだ後のカップなどを通路に備わっているダストボックスに捨てに行き戻ってくると、そのすぐ後に五人立て続けに部屋に入ってきた。
由紀たちが今居る部屋は、ちょうど中ほどにあるらしく、右を見ても、左を見ても、長さが一キロメートルはある観客席の前は、すべて同様に見える。
そしてスクリーンの立っている、ずっと先には発射場が見えている。
しばらくパンフレットを読んでいた直が立ち上がって
「少し、おなかが空いたからホットドッグと飲み物、買ってくるけど、何か、いる物ある」
と二人に訊くと、理絵は直と同じ物を頼み、由紀は
「飲み物だけでいいから、お願い。ついでにトイレの場所も見てきて」
と言いながら財布を取り出そうとすると、直は、それを遮って
「それくらい出すからいいよ」
と言って、部屋から出て行った。
買ってくるのに十分ほど掛かり、戻ってみると、由紀が理絵にパンフレットに書いてある説明を訳してもらっていた。理絵も、もうすぐ大学生で、それなりに英語は解るが、ところどころ知らない単語とかもあるようで、直が帰ってきて、席につくと
「ねえ、この単語どういう意味」
パンフレットを差し出し、意味不明の単語の部分を指で指しながら訊いてきたので、直は理絵と交代してパンフレットを読んで説明した。
しばらく説明をしていると、アナウンスが流れ
「みなさん、まもなくセレモニーが開会します」
と言うので、時計を見ると十時十分前になっている。
セレモニーが始まるまでに、ごみを片付けておこうと、理絵が飲んだ後のカップなどを通路に備わっているダストボックスに捨てに行き戻ってくると、そのすぐ後に五人立て続けに部屋に入ってきた。

