その途中、彼女が一階には、これまでの宇宙開発の歴史を紹介した博物館があり、宇宙船などの展示もしていて、二階には土産物店、レストラン、ファーストフード店、医療施設、トイレなどがあり、観客席のなかほどと最上階から階段で降りたフロアーにもファーストフード店とトイレがあると館内の説明をしてくれた。

部屋に入ると、右から五、六、七番が由紀たちの座る席だと言い、パンフレットを三部手渡すと受付へ戻って行った。

最上階は、すべて特別室のようで、この部屋へ来るまでも、その先も、ずっと部屋が続いている。いったい、いくら部屋があるのか分からない。

部屋の中は二十席が横一列に並んでいて、すでに八名着席していた。

席に座り、由紀が時刻を見ると、もうすぐ九時である。
横でパンフレットを読み始めていた理絵が

「ねぇ、十時からセレモニーが始まるよ。貰ったパンフレットに行なわれる催しの説明が、書いてあるよ」

直も読みながら
「ほんとだ、こんな事するのか・・・知らなかったなぁ」
と言っている。

由紀も急いでパンフレットを開けて読もうとしたが、由紀は英語が苦手なので、よく分からない。

え~何これ、と思ったが、知ったような顔をして

「へえ~、すごいわねぇ。こんな事するって知らなかったわねぇ」
と言うと、直と理絵が顔を見合わせて???

「いつから読めるようになったの?」・・・

部屋から前を見ると、観客席の前面は、奥行きが二百メートル以上ありそうな広い芝生になっている。