「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢

乗っている船よりも大きく見え、体育館くらいの大きさがあるような感じがして、ゆったりと船の傍を泳ぐのを見ていると、大迫力だと言う。

とにかく大感激するから、一度は見たほうがいいよと教えてくれるのを聞いていて、二人には、つつじの大木の森や、川を埋め尽くすような数の蛍、亀の産卵に鯨と次々と見たいものが増えてくる。

区切り打ちという巡り方で、お遍路さんが歩いていた話をしていて理絵が、お母さんは歩くのが遅くて、お年寄りに追い抜かれるのだと話をすると、隣で聞いていた由紀がむくれた顔をして理絵を見ていた。

電話が終わると、由紀は長い距離を歩いて疲れていたのか、理絵よりも早く寝入ってしまった。


翌朝、テレビでは午前十一時に命中予定の小惑星群に関する報道ばかりしている。

成功すれば、私たちの住む地球には大きな被害は無いと繰り返し言っている。

どちらにしても、私たちには対処する術もなく、ただ成功を期待するのみである。

二人は今日は昨日以上に歩くつもりで、宿で作ってもらった弁当をバッグに詰め込むと、早速出発した。

天気予報では、午後から晴れてくると言っていたが、外に出ると、もう雨は上がっていた。

歩く右手に四国山地、左手に太平洋を望みながら、南へ進む。