「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢

補佐官は可能な限りの努力をし、明日には、さまざまな結果が報告できるように最善を尽くすことを約束した。
あと通信が途絶えて行方不明になった五隻の調査隊やステーション、小惑星群の観測方法などについて、幾つかの質問がエジプトやメキシコ全権からあり、質問は終了した。

補佐官に代わり李が出てきて、意見があるか訊いたところ、イギリス全権が手を挙げ意見を述べ始めた。

「先ほど火星の通信不能地域が、小惑星群の通過した面ではあるが、原因は不明であると発言がありましたが、どうして、そうなったのかは不明でも、少なくとも小惑星群が何らかの影響を及ぼしたと考えるのが自然だと思われます。ということは小惑星群は危険な存在であると言えるのではないでしょうか」

「その上に、その危険な物体が地球へ向かって来ている。これは速やかに手を打たなければ大変な事態になる可能性があり、危惧されます。悠長に観測結果を待ってから判断していたのでは、取り返しのつかない事態になりはしまいか。非常に心配するところであります。そこで我がイギリス国としては、できればできるだけ早く小惑星群を破壊する検討を始めるべきだと提案します。いかがでしょうか」

意見が終わると同時に賛成発言が相次ぐ。

先ほど質問を行なったオーストラリア、エジプト、メキシコなどを始めとして会議に出席している国の半数以上の国が、すぐに賛同した。

このままでは危険ではないかと、多くの国が考えていたのであろう。しかしアメリカ、ロシア、インドなど慎重に考慮している国もある。

その慎重派の国であるロシアが