「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢

由紀の筋肉痛がひどいので、明日も今日と同じ様に、出発してから体調の様子をみて、宿泊予約をすることにした。

食事や風呂を済ませて、部屋でニュースを見ると、日本時間の明日、小惑星群を、どのように処理するかの重大な会議があり、結果が分かり次第、報道すると言っている。

この先どうなるのであろうか。漠然とではあるが不安な気持ちになってくる。

直や勇太は大丈夫だろうか。直は消息不明のままだし、勇太は、どこで活動しているのか情報がない。

二人の無事を祈りつつ、由紀と理絵は眠りについた。




午前十時過ぎ、李は連合本部ビルに向かっている。

最近は、連日のように、夢の中に宇宙人の操る宇宙船が現れて、地球を襲ってくる。

まったく困ったもので、寝覚めが悪くてしょうがない。

しかし今朝は、ディアンと電話で話しできたこともあり、こころもちましである。

ディアンとは、数ヶ月に一度は電話で話しをするので、ジョアンのように、本当に久し振りの会話というわけではないのだが、それでも声を聞けると嬉しいものだ。

ディアンもジョアンと同じ様に、近頃の報道を見聞きしていて、父親の心配をしていた。

李は心配を掛けまいと、努めて明るい声で話をするのであるが、実際は心身共に、相当に疲れていた。