「そりゃそうよね。いくら私が畑してると言っても、あの山道じゃあ、筋肉痛になるわね。きっと」

と話す彼女の声が、何となく笑っているようにも聞こえる。

その後、由紀から理絵に電話を替わり、お婆ちゃんたちも次々と入れ替わりながら、二十分くらい話をして電話を置いた。

その話の中で、彼女たちは、今夜は二十番鶴林寺の宿坊に、泊まっていると言い、この二十番と次の二十一番も山道が相当きついので、筋肉痛を起さないように気をつけるようにと、教えてくれた。

二十番へ上った後、谷まで下りて、またすぐに二十一番まで上って下りるのは、車で走っていても、かなりきついと感じるらしい。

由紀は、その話を聞き、怖気づき、理絵に

「二十番と二十一番は地獄ね。全く自信ないわね。ひょっとすると途中で野垂れ死にするかも・・・行くのが怖くなってきたわ」

余程、昨日の十二番への山道が性根に入ったようである。

そんな由紀に理絵が

「野垂れ死にするのだったら、お寺に近い所でしてね。運ぶの大変だから」

と冗談で言ったのだが、由紀は、ほとんど笑わない・・・ずいぶん怖じてしまったものだ。

ニュースでは、小惑星群を観測する為に向かっていた貨物船が消息不明になったと流れていた。

なぜ次々と同じ様な事が、繰り返されるのか・・・