「助けてくれてありがとう。知らない人」 「いや、そういうくらいなら名前聞けよ」 「…じゃあ何?」 そういう聞き方かよ! さすがにカチンときた俺たち。 ビシ、とイアンが魔女に指を突きつけた。 「人に名前を聞くときはまず自分から名乗ること。礼儀くらいはちゃんとしようか? 知らない魔女さん?」 「セルマ・アトウッド」 「あっさり吐いたな」 「お前はそういう言葉を使わないようにな」 さらりと俺をたしなめることも忘れない。 っつかそれしか仕事がないのか。