俺の意識は水に押されるように浮かび上がった。 「…ぁ……」 「、目覚めたか?」 ぼんやりと霞む視界に、ボサボサとした髪が入る。 「……イアン…?」 うわ、掠れて声が出ない。 ようやくはっきりしてきた世界で、イアンが泣きそうな顔をしていた。 「なんて面してんだよ…」 「お前、あの後いきなりぶっ倒れて、何日も寝込んでたんだぞ!」 あーらま、そんなに。 感心しつつ体を起こすと動かないで固まった筋肉が軋んだ音をたてた。