松明が欠け落ち、廊下の端々をチロチロと弱い灯りが舐める。 それも一つではない。 熱気と上がる灯りで辺りは染まり、俺の頬をも上気させた。 それでも、果てを目指して走っていたその時。 「ッ、うわ!!」 何かに躓いて俺は無様に転がった。 ベショ…という湿った感触に違和感を覚え、手のひらを見つめた俺は、目を見開いた。 「な、なんだよこれ……」 一瞬、フラりと意識を手放しそうになった。 廊下の床を湿らせているものが、転げた俺の所々を紅に変えていた。