「蒼お兄ちゃんね、本当は雪君のことちゃんと認めてると思うよ。 素直じゃないからあんな態度だけど」 「まぁ、蒼兄からすれば俺は"可愛い妹を奪う男"なんだろうな」 「それ、ただのシスコン…」 「シスコンっていうか、『娘は渡さん!』って言う頑固な父親の方が近い気がするけど」 「フフッ 確かに。そんな感じだね…」 私は雪君と他愛もない話をして、笑いあいながら遊園地へと向かった。 既に迫っている黒い影に気付かずに…。