「…ろ……真白!!」
うるさいなぁ…もう少し寝かせてよ。
って、前にもなかったっけ?
このシチュエーション。
デジャブ?
「起・き・ろ!! バカ真白!」
違うね。
間違いなく!
「う〜ん…ねむっ!」
「いつまでも寝てるな! せっかく作った朝飯が冷めるだろ」
「はいはい、すぐ行くから部屋から出ていってよ……蒼お兄ちゃん。」
エプロン姿におたまを片手に持って妹を起こしにくる兄ってどうなのよ。
しかも、年頃の女の子の部屋にノックもなしに。
「俺は今日仕事に行くんだよ! 誰かさんが冬休みでもな!!」
「いいでしょ〜!大変だね、社会人さんは」
「誰のために朝飯作ってやったと思ってんだよ!? んなこと言うなら、もう飯作ってやんないから」
「うわっ、ウソウソ! いつもありがとうございます、お兄様!! ご飯作る人がいないと困る!」
「じゃあ早く降りてこい」
「はーい!」
両親が忙しかったせいで、年の離れた蒼お兄ちゃんが私を育ててくれたようなものなんだ。
だから、私なんかより蒼お兄ちゃんの方が家庭的だったりする。
私はメイクは後回しにして着替えをしようとクローゼットの前へときた。
…遊園地なら、スカートよりも動きやすいズボンの方がいいよね。
私はしばらく悩んだ結果、お気に入りのズボンに白とピンクのワンピース系の服を選んだ。
アクセサリーは…朝ご飯の後でいっか。
私は用意を済ませると下へと降りた。