転ぶ!……という直前で雪君が抱き止めてくれた。 あ…。 雪君の体温、肌の感触、胸板の厚さが…分かる。 「真白?大丈夫か!?」 「大丈夫……」 「だから言っただろ?素直に手、貸せ。あ、今度は離すなよ?」 「うん…」 離せないよ。 そんな、表情で見られたら…。 雪君はいつだって私を助けてくれるんだね。 「真白?」 「帰ろ…」 私は差し出された雪君の手をそっと握り返した。