雪君は器用な手つきで手当てをした。 「ん、終わり。痛くないか?」 「平気だよ。雪君が手当てしてくれたから」 「――っ!!」 雪君は急に目をそらした。 「……?雪君?」 「お前…それ反則だろ……」 「なんか言った?」 今、雪君なんか言ったみたいだけど小声でよく聞こえなかった。 「な、なんでもない…!!」 雪君は珍しく照れると「あー使った道具片さないとな〜」とわざとらしく言いながら片付け始めた。 「?変な雪君」