「…ろ……真白!」
誰…?
でも、すごく懐かしい…。
「起きろって!! ま〜し〜ろ!!」
えっ!?
この声って……!?
聞き間違えるはずがない。私は慌てて起きた。
目を開けた私の目の前にいたのは…紛れもない雪君だった。
「雪君!?な、なんで、どうして!?」
それに、ここは学生の頃に住んでいた家…実家だ。
今は会社の近くにあるマンションに数年前に引っ越して住んでるのに。
「どうしたも何も…お前が待ち合わせに遅れるのが悪いんだよ。早くしないと、学校遅れるぞ〜」
なんで雪君が!?
雪君は3年前に死んで……それに、学校って?
私、社会人だし。
会社なら分かるけど…。
おかしなことが多すぎて私はパニックになった。
「夢?でも見てるのかなぁ…。」
でも、それなら覚めないで欲しい。
「お前、寝ぼけてるだろ?まぁ、明日から冬休みだもんな。でも、だらけるのは明日からにしろよ。」
雪君はふっと笑った。
あ。この笑顔…。
昔と変わらない優しい笑顔だ。
でも、明日から冬休み?
ふと、部屋の壁にかかっているカレンダーを見て私は驚いた。
『2009年』
これって…3年前のカレンダーじゃない!?
「??」
そういえば、雪君の服装は高校の制服だ。
いったいどうなっているんだろう。
「ほら、早く着替えろよ。あ、それとも手伝って欲しい?」
雪君はニヤリと笑って私の服の袖を持った。
「はっ!?え、えんりょさせてもらいますー。さっさと部屋から出てよ!!」
なつかしいな…。
最近は会社と家の往復ばかりで敬語ばっかり使っていたから…久しぶりにこの話し方したなぁ。
「ハハッ!下で待っててやるから早くしろよ〜」
「分かったから出てよ〜!」
私は雪君から渡された服を見てまた驚いた。
雪君が高校の制服姿ならそうだと思った。
渡された服はやっぱり高校の制服だった。
よく分からないけど、とりあえず急いで制服に着替えないと!
私は急いで制服に着替えて雪君のいる一階まで素早く降りた。