帰り時なのか、並んでる人も少なく結構スムーズに観覧車に乗ることが出来た。




「行ってらっしゃいませー」




ゴンドラの扉が閉じ、ゆっくりと上へ登って行く。




『うっわー…すごい、観覧車初めて乗った!』

「暴れんなよ」




暴れてないし!、と反抗したいけれど初めて乗った観覧車だから自然と顔がキョロキョロしてしまう。




『だんだん高くなってく…』




すると、「稚里」と暁斗に呼ばれそっちを見れば手を差し出していた。




『?』

「さっきのネックレス貸せ」




命令口調かよ…。まぁいいや。


カバンをゴソゴソと漁って、袋ごと暁斗に渡した。


暁斗は丁寧に袋を開けるとあたしに向かって手招きをした。



「背中向けて座って」




不思議に思いつつも、言われた通り暁斗の足元に膝立ちをした。


そして後ろから回ってくる暁斗の手。どうやらネックレスをつけてくれてるみたい。


でも、回ってきた腕にドキッとしたのも事実。…抱き締められるのかと思った。




「俺にもつけて」




そう言って振り向かされる。


…ああ、なんか危険な感じがする。けれど、つけないとそれもそれで危険な気がする。