でも、そんな稚里にも弱点がある。

あの…伸びきった前髪。

異常なまでに切る事を拒む。

あの子の瞳の色はどんな色をしていただろうか。

小さい頃に見て以来、見たことがない。

それはもう遠い昔の話で…。

見える視界をすべてシャットアウトしている。

なのに、あの子はいつでも前が見えている。

前髪が邪魔で、見える範囲は狭くなっているハズなのに。

何もかもを、見透かすように前が見えている。

いつも不思議だった。

―――いや。今でも不思議だ。