明るく、広い世界は見たくない。 視界をこれ以上に増やさなくていい。 あたしは今のままで、ちょうどいい…。 『…切らない。絶対』 「…そっか。ごめんね急に」 あたしが前髪を切らない理由。 それはちょっと話すと長くなっちゃうから、またいつかね…。 『トイレ行く』 「あ、あたしも行く」 ちょうど琴音が食べ終わった時、そう言って立ち上がると琴音はハンカチを持って立ち上がった。 「稚里ってご飯食べたらすぐトイレ行くよね」 『…ノーコメント』