何で今の流れで嘘つかなきゃなんないの? 「…あ。そーいえば、旭恊の表向きは施設じゃなかったよね?稚里」 『えっ?何であたしに聞くの?知るわけないじゃん!旭恊嫌いなのに』 「……そうだったね」 キョトンとして琴音に言えば、琴音は遠くを見つめて頷いた。 「…旭恊に詳しい人はそこに子供を預けたり…っていうか捨てたり?してたの。言い方悪いけどね。裏向き児童養護施設で、表向きはみんなが知ってる通りだよ」 『へぇ。初めて知った。あそこ裏と表あったんだ。こわっ!』