そう言って苦笑いする琴音。



『何も考えずにやってたからなぁ。別に気にしてなかったや』

「そこは気にしてあげようよ…」

『んー…』



昔のあたしに“他人を気にする”なんてしないし。

泣いてようが怒ってようが、どうでも良かったし。



『…まぁ。琴音が行きたいならいいけど?』

「じゃあ夏休み行こっか」

『い「どこに行くのー?」……爽汰』



人の言葉遮りやがってこいつ。



「施設にね?顔出そうかなって」

「へー。…それって遠いの?」

「え、どうだろ…」