『真城の奴ほんとムカつく!!!』 そして怒りの矛先は真城さんに向く。 だいたいはあの人のせいか。 俺はぎゃあぎゃあと叫ぶ稚里を抱っこした。 『うわぁあ!?ちょ、暁斗!?』 「黙っとけ。落とすぞ」 『………。』 所謂“お姫様抱っこ”とかいうやつ? つーか、こいつ軽い…。 軽すぎだろ。ちゃんと食ってんのかよ。 車の後部座席に稚里を降ろして自分も乗った。 『あ…ありがと…』 「ああ」 大したことしてねぇけどな。 そして俺らの前に隼人と琴音が乗った。