まだ春の下旬。 海もまだまだ冷たい。 こんなのによく入ってたなこいつ! 「ざまぁ」 『ちょーうざいんだけど〜』 ったく、琴音のせいで服ベッタベタ! 髪の毛も濡れて顔に張り付いて来て鬱陶しいし。 何より前髪がスゲー邪魔だ。 「ねぇ、2人共風引くよ?」 「お前ら一体何がしたいんだ…っ!」 「2人して寒い海に入るなんて…っ」 腹抱えて笑ってる透と悠人。 ム・カ・つ・く 琴音と顔を見合わせて頷き合った。 「『透、悠人』」 「ん?」 「あ?」