−琴音 side−


いつの間にか悠人の隣で寝ている稚里。

フェンスにもたれ掛かって、少し身体が悠人の方に倒れかかってる。

…絶対凭れるよ、あれ…。

なんて思ってたら本当に、そうなった。

あ、悠人が驚いてる…。

そりゃそうか。今まで起きてるって思ってた人が、急に凭れるんだもんな……。



「ち、稚里…?」

「悠人」



唇に人差し指を添えて、しーと言った。



「ちさ、寝てるから。寝る時と起きた時は機嫌悪いから…そっとしてあげて?」

「お、おお…(こんなの暁斗が見たら、俺死ぬんだけど…)」