その時だった。


手に、温かい感触。


彼の手が、私の手を包む。


「!」


私は驚いて、彼の顔を見上げた。


そこにはちょっとだけ拗ねたような表情の彼がいた。


「行こ?」


「………う、うん…」


ちょ…!


それ、反則でしょ!?


人前では私に触れることのない彼。


ど、どうしたの?


私は戸惑う。


もしかして。


可能性は低いけど…


ネコちゃんに、嫉妬…とか?


それなら、かわいすぎる…。